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「人智を開発するとは、愛国忠孝の心を開くなり」と『西郷南洲遺訓』にあります。
自分が生まれ育った家、地域、国を愛する心を育てること。
大人になったら良い働きができなければ恥ずかしいという心を育てること。
人の子として生まれて、親孝行もできないようでは恥ずかしいという心を育てることが、
人の知恵を開発する、つまり教育することだというわけです。
今の教育では、このようなことが重視されているでしょうか。
自由主義、個人尊重ばかりが取り上げられ、社会の一員として生きるための自覚や覚悟、
また見識などを育てることがなおざりにされているように私には思われます。
人間としてどのような価値観を持つべきかをしっかりと教育してこなかった結果、昨今の
悲しい事件の多発につながっているのです。
以前は、日本は「恥の文化」だと言われていました。
男として恥ずかしいことを教えられれば、恥ずかしくない男になろうとします。
女性として恥ずかしい、はしたないと教えられれば、恥ずかしくない女性になろうと
します。
人間として恥ずかしいことがわかれば、それをする自分が情けなくなり、反省するように
なります。
今、食の分野に限らず、企業から「信頼、信用」が失われつつありますが、恥を知る大人
が増えていけば、今のような事件の多くは解決できるのではないかと考えています。
(江上 範博)
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